第十七の手記

聖ニコラウスの日（１２月６日）ドイツでは、赤いマントをかぶった白髭のニコラウスが子供たちにプレゼントを渡しにやってくる、という趣向でクリスマスが祝われます。ちょうどサンタクロースのように、６日の朝に目を覚ますと、子供たちの靴の中にはキャンディーなどが入っているそうです。

私のドイツ語の先生はしばらくドイツで住んでいたことがあるそうで、聖ニコラウスの日について授業で話してくれました。なんでも、この聖ニコラウス、良い子の靴にはおかしを入れてくれるものの、悪い子の靴にはなんと鞭（むち）を入れる、という裏設定（先生が住んでいた地域特有のものかもしれませんが）があったそうです。

この裏設定を聞いただけで、私は一人教室の端で吹き出してしまったのですが、さらに先生の話では、先生の息子のクラスにいたガキ大将の靴の中には鞭が入っており、さらになんと、その鞭の先には飴玉がくくりつけてあったそうです。

教室はいつもの通り無反応。しかし私は、
「さぁ、舐め取ってごらんなさい！」
という場面が想像されてたまらず、一人教室の端で爆笑したいのを必死にこらえておりました。