×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こんなことがありました。何かのきっかけで、私は友人から握手を求められたのです。咄嗟に出した右手は彼の右手を深く握ることができず、浅い握手、とでも言うべきものになってしまいました。私が友情を示さなかったなどと、もし、彼が感じていたとしたら。もう、私は気が狂いそうになるほど嘆くのです。違うのだ、セリヌンティウス!私は君を心から尊敬し、君に真の友情を感じている。浅い握手のわけ、それは、私の醜く汗ばんだ手で、君の手を汚したくなかったからなんだ。君という人間を大事に思い過ぎたが故に生じた悲劇なんだ。文系の君だから、握手の社会的意味についてさぞかし深い理解があることだろう。でも、君と私の友情は、いまさら握手なんていう儀礼的な行為で目に見えるものにしなくてはならぬほど、儚いものではなかったはずだということも、同時に、覚えていて欲しい。そして私を許して欲しい。悪いのはすべて、汗ばんだ手をした私、なのだから。
PR
この記事にコメントする