第百十五の手記

ロシアで冷や汗かいた、という冗談を思いついてこれはいけると思ったのですが、深く考えれば考えるほど不安定な気持ちになってきました。ロシアで冷たい汗、ではオチてない気もいたします。ロシアに関する知識が足りないからでしょうか。恥の多いことです。

第百十四の手記

頭で理解できても感覚で理解できないことはあるしその逆も然りだが、もちろん頭でも感覚でも理解できないことがある。ボブスレーとかスケルトンとか氷の道を滑降する類のスポーツで、スタートダッシュ以外にやることがあるのか甚だ疑問である。生身の自分をいかに剛体へ漸近させるか、みたいな精神論なのか。そう考えると精神力が勝負の決め手になりそうでおもしろい。でもそんなことより瞬発力鍛えた方がはるかに能率的である。
「ハルンケア」という薬剤の効用も理解できない。尿漏れ、頻尿、残尿感に効果あり、とは。結局尿を出すのか出さないのかどっちなのだ。下半身における神経伝達をビンカンにするという意味か。それにしてはＣＭで使っている鹿おどし、かこーんとやってるうちに水はそのへんに飛び散っていると思うのだが之は如何に。怪しくて飲む気がしない。

第百十三の手記

歯が折れる夢を見ました。夢占いによれば、これは精力の減退を意味するものらしいです。しかし、夢から覚めた直後、私のナニは見事に屹立しておりました。よかったです。安心しました。私から精力とそれに伴う妄想をとったら、恐らく骨も残らないと思います。躁、今日も私は生きています。

第百十二の手記

「潰」すの部首が三水（さんずい）なのはどうにも生々しくて良いですね。なんかこうジメジメした快感を得ます。

第百十一の手記

絵を生き甲斐に老後を一人で過ごすお婆ちゃんのドキュメンタリー番組を見ました。近所の方が持ってきてくれた梅の花から着想を得たりしながらおばあちゃんは、ゆっくりひとつひとつ、水彩絵具で自分の思いをキャンパスに描いていました。

おばあちゃんの作品のひとつ、題『夏の名残り』。画面が絵の下から上へ徐々にシフトしていくと、夏の風物詩が次々とコラージュのように現れます。海、風鈴、蚊取り線香。そして絵の最上部が映し出されて、そこには水の中にいるように揺蕩い目を瞑る上裸の女が描かれていました。老婦が夏の名残りに描きたかった若き日のエロス。私は、人生の妙を垣間見た心地がしました。